伝説の決勝戦 15回引き分け
006年 全国高校野球決勝戦 駒大苫小牧 VS 早稲田実業
いよいよこの日が来てしまいました。
今日で終わってしまうという寂しさと
優勝の瞬間をこの目で見ることができるという期待が
入り混じった気持ちで超満員のアルプススタンドに座りました。
今日は最後の応援です。精一杯の声援を送り続けました。
ずーっと応援してきたから伝統の応援歌『紺碧の空』も
早実の校歌もすっかり覚えてしまい
コンバットマーチに乗せた掛け声や動きまでも覚えてしまいました。
優勝を信じてここまで来ましたが試合が始まってみると
塁には出るものの駒苫の完成度の高い守りに阻止され
なかなか点が入りません。
2年連続の優勝校は想像以上に強くピッチャー田中君のボールを
思うように打つことができませんでした。
しかし優勝する為に戦っている早実も点を入れさせません。
決勝という気迫あふれる試合でありながらも
ピッチャー斎藤君がマウンドに立つと安心できるのです。
両校0点のままむかえた8回の表。
その斎藤の投げたボールが空高く跳ね返され
駒苫にホームランが出て先制の1点を奪われました。
しかし「逆転の早実」です。8回の裏には同点に追いつきました。
むかえた9回。逆転さよならのチャンスが巡ってきたものの
生かすことができずに試合は延長へ・・・。
1点入れれば優勝できる。 1点入れられたら優勝を逃す。
斎藤君がマウンドに立つたびに「斎藤!斎藤!」のコールが響きます。
斎藤君の気迫が手に取るように伝わってきます。
また駒苫・田中投手も冷静さを失わず一歩も譲りません。
応援しながら心臓はバクバクしっ放し。声はとっくに枯れてしまい
1対1のまま、とうとう延長15回をむかえてしまいました。
延長の場合は15回で翌日の再試合になってしまいます。
どうしてもここで決めたい両校の対決は迫力そのものでした。
147キロを投げつづけた斎藤君にスタンドからはどよめきが起こります。
そして田中投手は安定感のあるスライダーで15回を引き分けのまま終わらせました。
明日の再試合が決まった瞬間、スタンドで見守っていた観衆は
一瞬静まり返り、そして壮絶な戦いを見せてくれた両校の選手達へ
割れんばかりの拍手を送りました。
早実の応援団は駒苫の栄誉を称え声援を送ります。
反対側の駒苫のスタンドから早実に声援が送られます。
互いの戦いぶりを賞賛しあって、明日もまた力の限りの応援を誓い
各々がスタンドを後にしました。
あまりにも凄まじい両者のぶつかり合いだったので
我に返るまで暫くかかりました。
高校野球史に残る貴重な試合を甲子園で見ることができて幸せです。
明日の試合もアルプススタンドで観戦したい気持ちは山々でしたが
今日の観戦で完全燃焼してしまいました。
優勝旗を東京に持って帰ってきてくれることを信じ大阪を後にしました。
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