« 春待ちの雪 | トップページ | 集まれば大きな祈り »

2012年3月 3日 (土)

桃の節句

03022jpg_3

子供の頃、母がお雛祭りの日に作ってくれたちらし寿司は
桃の花に型取りされた五目寿司の上に
お雛様が仲良く並んでいました。

うずらの卵のお顔、目はゴマ、口は紅しょうが
お内裏様のお着物は薄焼き卵
お雛様のは赤身のお刺身
帯は三つ葉で結ばれていました。

出来上がりが待ち遠しかった私は
お手伝いをしながら母が作っているそばを
嬉しくて離れることができませんでした。

母になった私はと言うと、そこまで手の込んだものは作れませんが
3月3日には必ず五目ちらしを作ります。
具材を甘辛く煮ながら、ふと思ったのですが
私は母からとくにお料理を習ったわけではないけれど
割とお手伝いはしていたので見よう見まねでハタチの頃までには
ちらし寿司ぐらいは作れるようになっていました。
なのにムスメは未だに卵焼きしか作れないって
あまりにもひど過ぎです。

あの子に娘が生まれたら毎年お雛様を飾ってあげるのだろうか?
ちらし寿司は作ってあげるのだろうか?
まさかインスタントで済ませやしないだろうか?
桃の花と梅の花の区別はついているのだろうか?

などと不安になってしまいました。

そんなムスメの初節句のお祝いに母が贈ってくれたお雛様。

03021_2





初めて見た時には、正直「地味なのでは」と思いましたが
いろんな方に「このお雛様、素敵ね」と褒めていただいて
どんどん愛着が増してきて今ではこのお雛様を選んでくれた母に
とても感謝しています。


璃寛茶 りかんちゃ
亜麻色  あまいろ
緋色  ひいろ
鴇色  ときいろ


日本古来の伝統色のお着物をまとい
優しく微笑んでいるお雛様。
今年もあと少しでお別れです。
しまいそびれると「お嫁に行くのが遅くなっちゃう!」と
ムスメに言われます。







こんなに何も出来ないまま嫁いだら、お相手に迷惑でしょうが!
せめてお料理ぐらいはできるようになってから
お嫁に行ってくださいましっ!





と、お雛様が申しておりますよ。








|

« 春待ちの雪 | トップページ | 集まれば大きな祈り »