石巻の仮設住宅を訪ねて
石巻へ行ってました。
バスの車窓から、津波の被害に遭われた石巻の街を見ることができました。
今もなお見上げるほどの瓦礫の山が点在し、廃車も山のように積まれていました。
家屋のあった場所には、お茶わんやぬいぐるみなどの日常が
破片となって散らばっています。
1年3ヶ月も経っているのに やっとここまでなんだ。
地元の方々に「もう忘れられちゃっているのかな・・・」
と思われてしまうのも無理はありません。
私がボランティアで訪れた仮設住宅は、約450世帯。
山と田んぼに囲まれたのどかな場所に
見渡す限りのプレハブ住宅が並んでいました。
こちらの住宅は特に単身者の方が多く入居されているようです。
お独りのお年寄りも多く、いろんな地域からの入居ということで
どうしても個々になりがちです。
それを防ぐために、たくさんのボランティア団体が
より良いコミュニティ作りのきっかけとなればと
お手伝いさせて頂いていているようです。
「今日はこんな事をやってますよ」と
仮設住宅を1軒1軒まわり声掛けをしました。
自治の方が「ひきこもって出てこない人もいっぱいいる」とおっしゃっていましたが
去年、孤独死をされた方もいらっしゃり、そのような悲しいことがもう起きないように
あれこれ模索されているようです。
もちろん訪問がわずらわしい方だっていらっしゃます。
でも、訪問しなければ様子が伺えないので
そのあたりが難しいところみたいです。
住民の方が
「つい最近まで両隣りの人しか知らなかった」とおっしゃっていたのを聞き
住んでいるかた同士のコミュニケーションの強化が最も大切だなと感じました。
そのお手伝いになればと仮設住宅内にある広い集会場をお借りして
ミニコンサートや手芸、七夕のお飾り作り、バルーンアートなどで
楽しんでいただきました。
「狭い仮設に一人でいてもつまんないしな」と
覗きに来てくれた方もいらっしゃいました。
子供達もたくさん集まってきたので外でドッジボールをしたり
田んぼでカエルをつかまえたりと
普段は体験できないことを楽しんでいるうちに
あっという間に時間が過ぎてしまいました。
今回私達が石巻の方々に歓迎していただけたのも
「名残惜しいよ」とお見送りしていただけたのも
震災後から今まで訪れた、たくさんのボランティアの方々のおかげです。
お鍋いっぱいに美味しい煮物を作って持って来てくださったお母さん
お昼休み返上で差し入れを作ってくださった「ちゃきんのサトウ」さん
それを大急ぎで届けてくれた中古車屋のお兄さん
帰るバスが見えなくなるまで手を振り見送ってくださった仮設住宅の人達
仮設住宅でお会いした人達は素敵な笑顔が印象的で本当にいい人ばかり。
どうして、こんなにいい人達の大切なものを根こそぎ持っていっちゃうかなぁ
と思うと涙が出てしまいます。
あの日のこと忘れていません。
復興を心から願う気持ちは薄れていません。
その思いをボランティアという形でしか意思表示できない私は
こちらに居ても、、向こうに行っても続けてゆこうと改めて感じました。
帰りの東北道のサービスエリアでも、いろんな地域からの
ボランティアバスを見かけました。
私はいつも「かながわ東日本大震災ボランティアステーション」が運営している
ボランティアバスに連れて行ってもらっています。
運営スタッフボランティアさん達が一生懸命にやってくださるおかげで
内容的にとても充実しているし安心してボランティア活動に参加できます。
こちらでは、なんと80歳の女性も参加されました!
素晴らしい行動力と精神に頭が下がります。
美味しいものとの出会いも魅力のひとつになりました。
今回は差し入れの佐藤さんのちゃきん。
立町復興ふれあい商店街の中にお店があります。
甘さひかえめのあんこをクレープのような薄皮で包んだ
美味しい生菓子でした。
もうひとつ、道の駅『上品の郷』で買ったモサガンという蒸しパン。
自然薯が入っているので、もっちりしっとりとした食感。
ずっと食べていても飽きなくてクセになりそうな品の良い甘さ。
かなりの人気商品みたいで、あればラッキーなのだそうです。
『上品の郷』には他にもいっぱい美味しそうなものが売っていて
テンションが上がってしまいました。
復興が進み被災地が今までよりも美しい街になり
被災された人達が笑顔で安心して生活できるようになったら
心おきなく観光として訪れようと思っています。
その日が一日も早く訪れますように
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